最近リリースされたArcTraxというフリーのVSTiを使ってみたのでご紹介します。 国産のVSTiといえば長らくSynth1が有名ですが、ArcTraxも国産のVSTなので、今後の動向に注目ですね(なんか締めの言葉っぽい)
基本はアナログシンセを模したポリフォニックのVA(ヴァーチャルアナログ)シンセです。 2基のオシレータ、1基のフィルター(ローパス、バイパス、ハイパス)と1基のアンプを持っています。
エフェクトとして、音色を歪ませるドライブとエフェクトとしてリリースとディレイを持ちます。
オシレータ部分の基本波形はノコギリ波や矩形波など5種類ですが、オシレータごとにデュアルモードやデチューン7モード(いわゆるSupersawみたいなあれ)などを設定できるので、意外と基本的な音色の幅は広めです。 それに加えて、colorなど独自の名前がついていますが、倍音成分をコントロールする機能も持つようです。
特徴的な点として、いわゆるADSR(アタック、ディケイ、サスティーン、リリース)のパラメータは見当たりません。 その代わり、モーション機能と呼ばれる独自の変調機能を利用して音色を作ります。 おもしろいことに、このモーション機能はフィルターやアンプだけでなく、全てのパラメータに割り振ることができるため、作りこむほど変態的な音色になりやすいのが特徴です。
その他、フリーVSTiでは割と放置されがちな取扱説明書もしっかり準備されています。 何より日本語で読めるのが嬉しいですね。
というわけで、筆者は相変わらずしっかり準備された取説を読まずに使い始めて、使い方がわからないと戸惑ったので、その使い方をメモしておきます。
各パラメータのノブの右上にはLED表示部があり、このLEDが点灯しているとモーションと接続されています。 モーションと接続されたパラメータは再生時にアニメーションで動くので、あれこれ接続しているとにぎやかになります。
接続の方法は上記の図の通りです。 ここではフィルターのカットオフを例にしています。
まず任意のノブの中心部分をクリックして、そのパラメータを選択します。 選択後に右上のモーションセクションのパラメータを変更します。
v0は選択したパラメータのスタート位置です。 LEDが点灯しているときは、選択したパラメータ(ここではカットオフ)とv0は同期しますので、間違えないようにします。
v1は終了時のパラメータの位置です。 例えばv0よりもv1のほうを大きな値(v0よりも右側に回した状態)にしておくと、音を鳴らしている間にカットオフがだんだん開く効果を得ることができます。
v0からv1までの変化の時間を決めるのがtです。 tを左に回すほど急速に動き、右側に回すほどゆっくりと動きます。
また、v0からv1までの変化の仕方を決めるのはtの隣にある矢印です。 冒頭の画像では右肩上がりの矢印を選択しており、これがもっとも基本的な動きです。 例えば、その隣のパルス波っぽい矢印では、ある段階までv0で、ある段階からv1に移行するという動きをさせることも出来ます。
このあたりはLFOのかかり方と似ていますね。
上述のように、ArcTraxではモーションを各パラメータで利用できるので、複雑な音色が作りやすいです。 ダブステップみたいな、ぐちょんぐちょんに加工されたシンセリフとか作りやすいかもしれませんね。
というわけで、デモを作りました。 音源はお約束のReddish Roadです。
シンセリードのみArcTraxを使っています。 先ほどのモーション機能はフィルターのカットオフとピーク(レゾナンス)に当てているため、VCAに割り当てられたADSRを動かしているような音色になっています。
いっぱい加工できるよ!と書いておきながら、超無難な使い方しています。 たしかにぐちょんぐちょんなサウンドは作れますが、それをうまく曲中に埋めるのは難しいんですよね。
要するに筆者の技能が足りないだけですが。
というわけでArcTraxのご紹介でした。
利用の際にはVST3の対応が必要です。 FLの場合には、VST3に対応したフォルダに突っ込む必要があり、VST2以下用のフォルダだと無視されてしまいます。
また動作には.NET Framework 4.6とVisual Studio 2015の再配布パッケージのインストールが必要になる場合があります。
なお、大量にトラックにインサートして、モーション機能をかますと重くなってくるようです。 シンセリードとか、特徴的な音色への利用が最適だと思います。
ちなみに恐縮なことに、公式サイトでは当方のデモ曲を採用していただきました。上記のreddish roadの他に、truthなどのArcTrax版なども公開していただいています。ぜひ、そちらもご覧いただければ幸いです。
ぜひお試しあれ!
擬似タグ : /ArcTrax | /フリーVSTi | /レビュー
エセDTMerですが、最近使ってる機材をラフに紹介してみます。機材といっても、音作りはほとんどソフトシンセ完結で、機材感0%ですけど。
春M3の際にSSW 7.0を捨ててAbility Proに進化しました。といっても、Ability ProはSSWの正統進化なので、中身や操作体系はほとんど同じです。
最初はAbility Proで完パケまで作るつもりだったのに、結局MIDIの打ち込みだけのツールになってしまっています。だったらSSW Startでも全然OKなんですけど、とりあえず曲作りが捗るようになったのでよかったです。
詳細レビューはまた今度書きたいと思います。
FL6時代からあれこれアップグレードしつつ使っているFLもいつの間にか12になっていました。ライフタイムフリーのアップグレードで常に最新版を使っていけるのが良いですよね。
個人的にはFLはいつもミックス用のツールです。特にメロディアスな曲はAbility Proの譜面の方が作りやすいのです。もともと音楽ツクール3時代に五線譜で曲を作ってたせいか、未だにピアノロールって慣れないんですよね。
ここ数年の筆者の曲の大半の音色はPlugsound Proを使ってます。今となってはMIDI音源に毛が生えたような音色ですが、音色が太く、個人的にとても好みです。
なんというかハード音源から出てくる音色っぽいんですよね。
特に打ち込みエレキの音色はPlugsound Pro + Guitar Rig 5あたりの組み合わせです。いつかはReal LPCとか、本物のギターとかにしたいと思うんですが、思ってるだけです。
UVI Workstationの話はUVI Workstationの超かんたんな使い方にも書いています。
Cakewalk Studio Instrumentsなんて、今使ってる人いないでしょう・・・と勝手に思ってるんですが、筆者はめちゃくちゃ愛用しています。特にDrumとStringsの2つはほとんど外したことがないです。
いずれもMIDI音源的な音色です。筆者の曲は生音を追求するよりも、MIDI音源っぽい音色のほうが似合うように感じます。
Roland JU-06を使ってみた!デモサウンドもあるよ!で触れたように、最近買ったお気に入りのハード音源。とりあえずハード機材の音を入れたくなったらこれを使います。
膝の上で使えて、電池駆動というコンパクトさがいいんですよね。ちょっと高い買い物でしたが買ってよかったです。というか、JP-08とか欲しくなっちゃいますね。
ミキシングはほとんどFL12のエフェクトだけで終わらせるものの、最後のマキシマイザのみWAVESを使っています。筆者はL1とL3を持っていますが、今はもっぱらL3を使っています。
パソコンは3104式に書いてるようにTSUKUMOのBTO、スピーカーはもう生産終了品ですが、ONKYOの1万円程度のものです。
前々から買おうと思っていますが、未だにオーディオインターフェースは持ってません。音録るときは未だにオンボにぶっ刺しです。
2016春M3で使ったのは、NIのAction Strikeと、Best ServiceのComplete Classical Collection KP2です。
Action Strikeはどうしても雰囲気が似てしまう感はあるものの、映画音楽風のパーカッションを打つには適していますよね。映画っぽい曲が作りたいと思っていたので良い音源を手にしました。
Complete Classical Collectionは10年以上前の枯れた音源ですが、オケ物の音を使いたい時はいつもこれを使っています。アタック部分の音を調整できるため、アタックの強いサウンドを作りやすいのです(勢いのある曲を作りたいのに、収録された音が全て立ち上がりが遅いという悩みはよくある話です)。
と、音源自慢でした。
NIのKOMPLETE 10 ULTIMATEがキャンペーンで安価になっているので、音源を増やしたいときには最適ですよね。Action Strikeももちろん収録されています。
未だにPlugsound Freeに関する検索があるので、書いてみます。 たぶんうちのVSTのフォルダ探せばまだ残ってるだろうなぁと思いつつ。
ざっくり調べる限りでは、現在は既に入手できないんじゃないかなーと思います。 当時のUVI(かつてはUltimate Sound Bank)はPlugsoundがメインの音源でしたけど、いまやそれも加えた一大総合音源メーカーになったので、どちらかというとPlugsoundはマイナー扱いになってますよね。
というわけで、現在のUVIの体験版の話。
Plugsound Freeというフリー版はありませんが、その代わり「UVI Demo Soundpack」というお試しパッケージが配布されています。
上記リンク先ページのUVI Workstationカテゴリの中にあります。
UVI Demo SoundpackはUVI Workstationと一緒に使います。 通常のUVI製品はオーソライズが必要ですが、UVI Demo Soundpackはオーソライズなしで利用可能です。
使い方は・・・
音源フォルダはUVI Workstation側で自由に追加できますので、先にどこかにufsファイルを置いてから、そこをUVI Workstationの音源フォルダに指定しても大丈夫です。
Plugsound含め、SynthやOrganなど10種類の音源から抜粋された音色です。 かなり前から置いてあるDemoなので、最近販売された音源や、UVIが力を入れている(?)ビンテージシンセ系の音は入っていないです。
Demoに入っている音だけで1曲作れないことは無いですが、結構偏りが多いので難しいです。 フリー版で頑張るなら、NIのKompleteの無償パックとの併用推奨です。
ただし、両者で音の質感がだいぶ違うので、混ぜるのは大変かも。
Demo Packの中で、個人的にオススメなのは、Retro Organsから抜粋されたLord Full-light。 この音は、筆者の曲で最も良く使うオルガンの音色です。
元の音色の時点でロータリーエフェクトがかかっている点はネガティブですが、程よい歪み感が癖になります。 ので、個人的には一旦モノラル化してから、自前の空間系エフェクトで音を広げることが多いです。
というわけで、フリーでお試しできるUVIの音源の話でした。 Plugsound Freeってもう手に入らないの?と思ったら、是非UVI Demo Packを使ってみてください。
ちなみに超奥の手ですが、10年ぐらい昔のDTMマガジンが古本屋にあれば、その付属ディスクの中に収録されている可能性があります。Plugsound Freeがどうしてもほしければそちらを探してみてください。
UVIは割とセールをやるので、おとなしくPlugsound Pro買ったほうが早いですけどね。
擬似タグ : /UVIWorkstation | /フリーVST | /Plugsound
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